院長桝田充彦
1993年奈良県立医科大学卒業後、同大学附属病院産婦人科にて研修。その後、市立柏原病院産婦人科、奈良社会保険病院(現・大和郡山病院)産婦人科、至誠会産科婦人科に勤務し、数多くの分娩や手術に携わる。勤務医時代の豊富な経験を生かして地域の女性を支えることをめざし、2014年開業。医学博士。日本産科婦人科学会産婦人科専門医。
月経困難症をはじめ女性の悩みに幅広く対応
不安や痛みに配慮した診療を心がけています
当院は女性のためのかかりつけ医として、不安や痛みに配慮した優しく丁寧な診療を心がけています。婦人科を訪れる患者さんの中には、痛みなどの症状があっても限界まで我慢している方も多くいらっしゃいます。症状が進行すればするほど治療は難しくなりますので、我慢できなくなってからではなく、「何かないか確かめる」くらいの気持ちでどうぞお気軽にいらしてください。
婦人科として女性特有の病気全般の診療に対応していますが、中でも近年患者さんの数が多いのが「月経困難症」。年代としては中高生から30代くらいの方が多く、月経痛(生理痛)や月経不順の相談に来る小学校高学年のお子さんもいらっしゃいます。
そのためこのページでは、月経困難症にスポットを当てて解説させていただきます。月経痛がひどく、「仕事や学校に行けないほどつらい」など、日常生活に支障を来しているなら月経困難症が疑われます。月経困難症に悩む女性の皆さんの負担を少しでも減らすことが私の願い。この病気についてまとめた情報が、月経とうまく付き合う一助になれば幸いです。
月経困難症に悩む女性は
増加傾向にあります
少子化・晩婚化に伴い、月経困難症に悩む女性が増えています。しかし痛みを我慢する方も多く、受診率はかなり低いのが現状です。
月経困難症の
症状について
月経に伴い、下腹部痛や腰痛、おなかの張り、吐き気、頭痛、疲労感、食欲低下、下痢、イライラ、憂うつなどの症状が現れます。
月経困難症の
治療について
鎮痛薬や低用量ピルを用いて治療。月経痛や月経不順、貧血の改善、卵巣がんや子宮体がんのリスク軽減などの効果が期待できます。
月経痛(生理痛)
との違い
月経痛がひどく、「痛みのために学校や仕事に行くのも難しい」など、日常生活に支障を来すような状態を月経困難症といいます。
PMS(月経前症候群)
との違い
月経前に精神的・身体的な不調が現れる状態をPMS、月経中に強い痛みや不快な症状が生じる状態を月経困難症と呼びます。
痛みを我慢する
必要はありません
月経痛を感じたら、我慢せずに鎮痛薬を服用しましょう。また痛みが次第に強くなっているなら、速やかに婦人科をご受診ください。
機能性月経困難症とは
子宮内膜症などの器質的疾患が認められない月経困難症。経血を排出するために子宮を収縮させるプロスタグランジンという物質の分泌量が多かったり、子宮の出口が狭かったりすることが原因といわれています。初経後3年以内に発症すること多く、好発年齢は15~25歳くらい。月経中に諸症状が現れ、4~48時間ほど持続します。一般的に加齢や出産により症状が軽くなる傾向にあります。
器質性月経困難症とは
子宮内膜症や子宮筋腫、子宮腺筋症などの器質的疾患に伴って発症する月経困難症です。初経から5年以上経過して発症することが多く、好発年齢は30歳以降。諸症状の持続期間は1~5日間くらいで、月経時だけでなく、悪化すると他の時期にも症状が出ます。また機能性月経困難症とは対照的に、加齢に伴い次第に悪化する傾向があります。不妊症につながる恐れもあるため、注意が必要です。
その他の月経異常について
「過多月経」とは、生理中の出血量が150ミリリットル以上ある状態。人によってはレバーのような血の塊が出てくることもあります。「PMS(月経前症候群)」は、月経の3~10日くらい前に精神的・身体的不調が現れる状態。情緒不安定やイライラ、憂うつなどの精神症状のほか、のぼせやめまいといった自律神経症状、腹痛、頭痛、腰痛、おなかや胸の張りといった身体症状が現れます。
当院での月経困難症治療の流れ
問診票に照らして症状などを詳しくお聞きした後、必要に応じて内診や経膣超音波検査、子宮頸部細胞診などを行います。検査結果に基づいて、鎮痛薬や低用量ピルを処方。低用量ピルは、周期投与・連続投与から選択可能です。また最初は1ヵ月分を処方し、3ヵ月後まで毎月問診や体重・血圧測定を実施。併せて副作用による血栓症を未然に防ぐため、定期的に血液検査も行ってサポートします。
低用量ピルの服用で月経困難症をコントロール
低用量ピルは初経が始まったら10代でも服用でき、健康な女性であれば、基本的に閉経まで服用し続けることが可能です。低用量ピルには女性ホルモンが含まれているため、服用すると脳が「妊娠している」と勘違いして排卵を抑制、服用をやめると排卵が再開します。月経周期が整うことは、月経困難症の治療にも有用とされています。正しく服用し、月経困難症をコントロールしていただきたいと考えています。
医療法人平治会 SALAレディースクリニック
大阪メトロ御堂筋線・西田辺駅から徒歩2分